楽園考古学

篠遠喜彦さんのお名前を知ったきっかけは、

地元のお菓子やさんである

菜の花さん

http://www.nanohana.co.jp/

のギャラリー(ここでは食器・服・雑貨などを取り扱っていてよく利用しているのですが)の広告に夢枕獏さん(この方も小田原出身の方ですが、皆さんご存知でしょうか…)が寄稿されていた文章です。

船上に人、帆先に鳥、図上部に太陽という構図の有名なエジプトの壁画にそっくりな絵が沖縄や九州の壁画にもあって、それは全部つながっている(同じルーツを持つ人間が運んだ)んではないかという内容でした。

私は日本人のルーツはポリネシアンとアジアンのミックスなのかなと思っていたのですが、この話を聞いてからもっと遠くから長い旅をしてきた人々だったのかも…と感じました。

その文章の中で紹介されていた、篠遠喜彦さんという方が、釣り針の分析からポリネシアの人々の伝播や交流を明らかにした人類学者の方ということで、とても気になって、二冊の著作を読みました。

一つは

秘境マルケサス諸島

まさにモアナの世界。でも、日本の寝殿造って素材は違うけど、実はポリネシアの家に似ているかもと思ったり…。

 

もう一つは、

楽園考古学

ポリネシアの考古学に偉大な貢献をした篠遠先生の武勇伝として読んでも面白いし(戦時中でもこんな生き方をした日本人もいたんだなぁ~)、日本人のルーツをたどる旅としても楽しめる。

外国と日本の考古学のやり方の違いにもびっくりしました。

先生の説である、島を出て旅をしたのは、食料不足やなんらかの衝突などネガティブな理由ではなく、鳥が渡るのを見て、島がある、航海技術もある、自分たちもやれると思ったから、というのはとても夢があるし真実らしいと感じた。人間ってそういうものじゃないかと。

私も苦悩の解決を人生の目的をとするよりは、いつもワクワクして新しい海に船を漕ぎだすように生きたい。

 

モアナのアニメーションを見たことで、このイメージを抱きやすくなったんじゃないかな~と思いました。この映画も、篠遠先生の研究成果が反映されたものなのでしょうか…。