FACTFULNESS

過去に読んだ本の感想を整理しようと思い、読んだ日付でこの記事を書いているので、実際の更新日はもっと後です…。

 

この本は、私の人生のターニングポイントになった本かなぁと思います。

 

国際的に活躍されている医師の方が書かれた、一言で言ってしまうと、正しいデータに基づいて、世界を正しく見よう!という内容です。

 

私自身は3.11以降マスメディアに対する信頼を失ってしまい、インターネットから情報を得るようにしているのですが、例えばワクチンに関する情報ひとつとっても、話をする人によって全く違う情報を持っていて(数字の様に誰が見ても一目瞭然の事も、人によって違う認識をしていると感じた)テレビで言っていることを真に受けてしまい、厚生労働省自治体がだれでも見れるところにあげている情報と明らかに矛盾することを信じていたり…ということがあるんだなぁと感じました。もちろん、リソースが政府や国連だからといって100%手放しで信じてしまうことには問題があると思いますが、他の怪しげな情報源をかたくなに信じてしまう人がいるのはなぜなのかな~と思ったりもしました。

 

この本を読んだのは、ちょうどそういうことを考えていた時期で、内容をあまり知らずに単に話題になっているからという理由で読んだのですが、自分の関心に近かったのでとても引き込まれました。内容ももちろんですが、著者の(翻訳者の方の)文章もとても魅力的だからだと思います。

 

最初は、あなたはどれくらい世界の今の状態を理解していますか?というテストからはじまるのですが、この本の前に読んでいたユヴァル・ノア・ハラリさんの一連の著作のおかげで、それほど正答率は悪くなかったです。この章で言われていることは、世界は人々が思っているほど「悪い状態じゃない」、以前より格段に「良くなっている」ということでした。

 

私が自分自身で一番ショックだったことは、アフリカについての事です。

自分の知識というか、イメージが小学校くらいで習ったアフリカの状況や、ユニセフなどの広告から想起されるものの域をでていなくて、今こんなにも変化していたことを全く知りませんでした。その後、自分でも色々調べてみると、例えば社会への女性進出の割合など、日本の方がよほど遅れているんじゃないかという分野もたくさんあるということに気が付き、とても恥ずかしい気持ちになりました。

 

この本をきっかけに、今まで目を向けていなかった海外のニュースや世界情勢に興味を持つようになり、日本が世界の中でおかれている立場もずいぶん変わってしまったんだなと、改めて感じました。

それで、じゃぁ日本人である私は、これからどう生きていったらいいのかな、と考えるようになりました。

 

この本では、データを正しく見ることが主張されている一方で、冷徹なデータ至上主義ではなく、その裏にあるストーリーを読み取ることの大切さが語られています。

 

 

田中一村展

日本のゴーギャン田中一村さん。

田中一村展 ―千葉市美術館収蔵全作品 | 企画展 | 千葉市美術館 (ccma-net.jp)

 

南の島が好きなので、気になる…でも千葉は遠い…。

奄美も遠い…

田中一村記念美術館 | 鹿児島県奄美パーク (amamipark.com)

 

2018年の岡田美術館のにいっておけばよかったです!!

初公開 田中一村の絵画 ―奄美を愛した孤高の画家―|展覧会|岡田美術館|岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART (okada-museum.com)

(↑こちらは過去(2018)の展示会)

 

とりあえず、本を読んでみようかな!

 

モネのあしあと 原田マハ

原田マハ印象派物語、の三菱一号館美術館高橋明也さんとの対談の中で出てきた、原田さんとモネとの出会い、が気になり読んでみました(これはどんな出会いだったのか、本当に予測できる人はいないと思います…。大野一雄さんという舞踏家の方を初めて知りました)。が、他の部分でもこの二つはセットで読んでよかったな!と思いました。印象派物語、の方はどちらかというと絵そのものを楽しむ感じのもので、より深く絵画を味わうための物語の小品集、という印象だったのですが、こちらはその解説本という感じで、モネだけでなく、印象派の画家たちが生きた時代がどんな時代だったのか、なぜこのような表現が生まれてきたのか、ということをもっと理解することが出来ました。

 

フランス革命(これは少し前の時代のお話)や、産業革命、鉄道の発達、そして日本の開国など、社会的な出来事が絵画の世界にも影響していたんだなぁと。ポーラ美術館でモネの絵を見たとき、他の田舎の美しい風景と対照的な気がして、なんで鉄道や駅の絵を描いたのかなぁ?と思っていたんですが、この当時鉄道は新しい時代の新しい物で、現代の私たちが思うようにありふれたものではなかったんだなぁと。

また、典型的なアカデミーの絵として紹介されているブーグローは私はかなり好きなのですが、この人の絵が遊びに行った男性の家に飾ってあったらひくよね!という話には笑いました。確かに、並べられているルソーの絵の方が納得できるというか、違和感がないように思うというか…これが現代人だからこう感じる、というのが面白いなと。他にも住宅事情の変化が絵のサイズに影響しているとか、考えてみたら当たり前ですが、いわれて初めてそうだったんだ~と。

巻末に書かれている、なぜ日本人は印象派に心惹かれるのか、というお話もとても腑に落ちました。

 

難しくなく、友達とお話しているような感じで、絵画の世界により深く分け入って楽しむ縁になる本だと感じました。

原田マハの印象派物語 原田マハ

同じく原田マハさんの「ジヴェルニーの食卓」、のような画家やその身近な人を主人公とした小さな物語集。写真がたくさんあり、絵画を見ながら楽しむことができるのがよかったです!モネはジヴェルニーの食卓でも、こちらの書籍でもそれぞれ違った人生のシーンの物語が描かれているので、原田さんにとって大切な画家さんなのかなと。

  

現代人から見ると、「印象派」というのはファンもたくさんいるし、むしろ保守的な趣味なのかなと思ってしまいますが、この当時は画期的なもので、ここで紹介されているマネやゴッホなど、現在では超メジャーな画家さんたちが不遇の時代に屈せず、新しい表現として発信し続けた結果認められたものだったんですね。

 

原田さんご自身のお写真もたくさんあって、文章から受けていた印象と違和感なく、素敵な方だなぁと思いました!ノルマンディー地方旅行記もあり、ルーアンやエトルタなど、絵画に登場する地名が現実的にイメージできました。

 

最後は三菱一号館美術館高橋明也さんとのオルセー美術館に関する対談で、三菱一号館美術館もいつも素敵な展示をされているなぁと思ってよく行く場所だったので、興味深く読みました。オルセー美術館オランジュリー美術館にも行ってみたくなり、また、企画展を見に行くときに、学芸員さんが力を入れているポイント、楽しんでほしいところはどこなのかな?と考えてみたいなと。原田さんとモネの出会いを描いた「モネのあしあと」もぜひ読んでみたくなりました。

 

 

川瀬巴水

Pinterestなどで見かけて、前から吉田博さんの作品などと共に気になる版画家さんでしたが、最近よく話題になっている気がするなぁと思っていたら…今年の10月からSOMPO美術館で企画展があるのですね~

 

ジョブスさんもコレクションしていたとか…。

WEB特集 知られざるスティーブ・ジョブズ・コレクション 画廊との20年 | NHKニュース

 

10月になったらぜひ見に行きたいです!!

丁寧はかんたん ウー・ウェン

ウー・ウェンさんを初めて知ったのは、横浜中華街で食べた「花巻」を家で再現できないかな~と思って図書館で探していた時でした。確かこの本かな?

これで、初めてだったのですが、結構うまくできました! 

その後、よく参考にさせていただいている以下のブログ

冬のテーブルは温ったかおもてなし : ばーさんがじーさんに作る食卓

でも登場していて、万頭にも挑戦してみたいなぁなどと思っていたところ、

つい最近、松浦弥太郎さんのinstagramで以下の本が紹介されていて

 松浦さんが自分が作りたかった本そのもの、読めば読むほど嫉妬するとまでおっしゃっていたので、そういえば、レシピはよく見ていますが「理論」的な部分は読んだことなかったなぁと思って、今回のタイトルを読んでみました。

 

第1章の「家族を守る」の頁では、早くにご主人を亡くされ、外国人でありながら一人で子供さんを育てていくために奮闘されたときのことに触れられていて、たいへんなご苦労をなさったと思うのですが、自分の辛さよりも応援してくださった方への感謝が書かれていたことにとても心打たれました。

 

料理が上手、というのは「料理屋さんのような料理が作れること」ではないと、特に家庭で日常の食事に責任を持たれている方は感じていると思うのですが、ではいったい何が大切なことなのか…ということを改めて考えさせられました。

副題にもなっていますが、とにかく「シンプル」に徹すること。

「無理しない、頑張らない、無駄にしない」

毎日ごちそうでは体を壊してしまうし、食材を隅から隅まで使い、ゴミを出さないことも節約の為だけでなく環境の為にも大切なことだなと…。特にこの本では、医食同源、その自然なやり方として旬のものを食べる事、をあげられています。

月ごとに紹介されているレシピも本当にシンプルで、味付けもほとんど塩と油だけ、食材もあれもこれも入れない、でもとってもおいしそう!!

理論の部分では、ウー・ウェンさんご自身の経験をもとに、日本と中国の違いや、家族の健康管理など、今まであまり考えなかった角度から料理や日々の食事、生活を見直すことができました。

 

他の著作ももっと読んで、たくさん作ってみたいです!

とりあえず、餃子の皮から作るの挑戦してみようかなぁ~