脳がめざめる「教養」 茂木健一郎

年末からお正月にかけて、大掃除や家族の行事、仕事などでバタバタしていて、少しブログをさぼっていましたが、新年なので、気持ちも新たにまた更新したいと思います!

 

2020年1冊目は、脳科学者の茂木健一郎さんの著作。ビジネスパーソン向けということで、読み始めはちょっと、著者の云うところの教養というのが、経済的な利益に直結する知識に寄りすぎているような気がして、なんか?と思いましたが、最後まで読むと全然そんなことはなく、私が普段触れている情報、考え方とは違った角度からのお話でとても得るものが多かったです。

 

「教養」というと、何か雑学の集積の様に思ってしまってがちですが、本当はそうではなくて、リベラルアーツ、つまり、より自由に生きるための知識、スキルだということが冒頭にあげられていて、リベラルアーツ、訳して教養みたいな認識はあったものの、言葉の意味まで深く考えていなかったなぁと。学校で教わるようないわゆる勉強と、社会で生きていくために必要な知識・能力というのはいまいち一致しない様に感じている人は多いと思うのですが、本来の教養は実際に生きていく過程でよりよい判断・行動の源になる大切なものなんだな~。しかも、それは特定の専門分野での技術ということではなくて、何か普遍的な理念になるものなんだろうなぁと理解。

 

自分がこの本から得た一番大きいことは以上のことで、あとは細かいことになってしまうと思うのですが、以下に列挙してみます。

・静的教養(いわゆる昔ながらの教養、知識の集積)と動的教養(ITリテラシー的なもの?それ以外に、実際に起きていること、自然観察などから次の打ち手を導き出せる能力、現実の世界で自分のやりたいことを実現するための能力?)があり、どちらも大切であるが、昔と違って静的教養だけでは評価されない時代になっている。それに対して、動的教養はこれからの時代もっと重要になる「自分を自由にする」教養である。

 

・動的教養を磨くには

①広く知ること

②深く知ること

③常識を疑うこと

(→常識、には自分が普段している思考パターンという意味が含まれる)

 

読書について語られている部分では、濫読がドーパミンサイクルを作る、ということが言われていて、これは雑食系の私としてはとても気をよくしました。専門分野だけでなく、様々な分野の読書を並行して行うことで、脳が活性化できる、というのは、なんとなく直観的に理解できますよね。茂木さんが各セクションごとにそこで話題に上がったり、関連する本を紹介してあるページもあるのですが、ここで紹介されているものも実に様々で、サヴァン症候群に関する本や、ファクトフルネス、スティーブジョブスの伝記など、いかにもというものもあれば、福沢諭吉さんの著作や、赤毛のアン、が出てきたりして意外に思うところも。このBOOK LISTだけでも読んでよかったなぁと思いました。

 

あとは、ほんと細かいことですが、BBCをPCで見るとか、MOOCというサービスについても知らなかったので、参考になったし、茂木さんの海外での経験談などにとても刺激を受けました。やはり時には日本という枠組みから出てみないと、偏った考えになってしまうかなぁと。

 

とりあえず、スティーブジョブスの伝記は読んでみようかな。