考え方 人生・仕事の結果が変わる 稲盛和夫

母方の祖父がお付き合いのあった方みたいで(多分京セラが大企業になるもっとずっと前の話だと思います)…お名前だけは知っていて、JALの改革とかすごいなぁと思ってみてました。著作も以前に他の本を読んだことがあると思うのですが、記憶が定かじゃない感じでした。

 

この本の感想を一言でいうと、結果を出している人の正論にはぐぅの音もでない!ということ。といっても、悪い意味ではなくて、正攻法で勝負してちゃんと結果が出るんだ、というか、要領が良いとか、うまく立ち回れる、ということではなくて、誠実に自分の仕事に取り組むことで認めてもらえるんだ、世の中を信じていいんだ、という気持ちになれます。若い頃はあまり良い成績ではなかったり、行きたかった大学に入れなかったり、会社がある程度軌道に乗ってからも、従業員が事故を起こしてしまったり、断り切れずに人助けと思って受けてしまった仕事が社会から非難される材料になってしまったり、と様々な困難に直面されているのですが、そういう失敗談、不遇の時代などもオープンにされて、その都度そこから立ち直った経緯が紹介されているので、逆境にあるとき、具体的な助けになりそうな書籍だなと感じました。

 

主旨は、タイトルにもなっている通り、「考え方」が大事だということ。仕事や人生の成功=能力×熱意×考え方だ、ということで、能力や熱意がいくらあっても、考え方が間違っていると、全体としては0やマイナスの結果になってしまう可能性があるということ(掛け算だから)。良い考え方は、正義、公平、努力、謙虚などといった本当にごく当たり前の道徳として言われることで、目新しいことではありませんが、これをいつでも実践するのは本当に難しい。この本にはそのためのアイディアがたくさんある気がしました。

 

具体的に自分が参考になったと思った点は、

・仕事を好きになること。でも、好きな仕事でもつらいときはあるから、そんなときにも楽しめる息抜きをみつけること(つらい時期が長く続いても、気分転換できる材料を持つこと)

・目標は高くもつけれど、実際には今日一日を一生懸命生きて、毎日新しい工夫をすること(これは、目標は設定するけど、やり遂げられなくて、企画倒れになりやすい私にはとても有効なアドバイスと感じました)

・悪いことが起きた時、過去に自分が積み上げてしまった業が結果となってあらわれた、と考え、ある意味それが消化できて良かったと思うこと。

・一生懸命取り組んでいることには必ず、失敗や心配事も生まれてくるけど、それを感情や感性のレベルで悩んで心労にしてしまわないこと。反省して、理性で考え、新しい行動につなげること。

などです。

最後の章では宇宙との調和についてあげられていて、プリミ恥部さんのことを思い出しました(笑)

あと、仕事に打ち込んでいるせいで、家庭にトラブルが起こりませんか?という質問に対して、奥様やお子さんに、どんな仕事をしているかいつも話すようにしている、ということをおっしゃっていました。確かに、家族がここまで仕事に打ち込んでいたら、遊んでくれない、とか、どこかに連れて行ってくれない、ということよりも応援したくなるよなぁと私は思いました。これは賛否両論あると思うし、家族と過ごす時間がたくさんある方が良い、という方がいて当然だと思いますが(私もどちらかというとそのタイプ)、決して家族を無視したりしているわけじゃなくて、一緒にいる時間は少なくても同志みたいな感じなのかなと。

 

私は基本的に怠けものなので、たまにはこういう本を読んで、喝をいれるのもよいかなぁと思っています。気持ちの良い本でした。