自分で「疲れ」をとる!日々の整体 片山洋次郎

高校時代、まだダイエットなどに一生懸命だったころ、骨盤矯正に興味があり、当時は実際に施術を受けたりは出来なかったのですが、整体に興味をもつきっかけになりました。思えば小さい頃から、実家の母が整体に行くとき、一緒に連れて行ってくれたり、母方の祖母も温灸ができる人だったり、ともともと関心を持つ素養はあったのかもしれませんが…。

 

いくつか読んだ整体関係の書籍の中でも、新社会人になったばかりのころ読んだ、片山洋次郎さんの「骨盤にきく」がとても印象的で野口整体や体癖という考え方を初めて知りました。それから、定期的に片山洋次郎さんの著作を読んでいるのですが、今回のタイトルは歳とともになんとなく疲れやすくなってしまったなぁとか、病気というほどではないんだけどなんか不調、ということがあって改善するアイディアが得られればと思い、読んでみました。

 

冒頭の体の使い方、気の使い方がこの2~30年で大きく変わったというお話、それにともなって昔はなかったような症状(目を中心に頭がオーバーヒートして、下半身が冷える、とか手汗をかくとか)が増えてきたというのがとても納得できました。人生の意味が重くなりすぎてストレスになっている、というのも確かにそうだなぁと。私もずっと生きてるだけで幸せなのかと思っていましたが、phaさんのしないことリストにも書かれていたように、それだけじゃだめなのかな、と思わせるような情報があふれているますし、人々もいつも何か頑張っていないとだめ、認めないというような傾向があるような気がします(これは確か香山リカさんの著作に書かれていたかな)。

 

自分にとって有益で、メモしておきたいと思ったことを以下に列挙します。

・凡ての手技療法(整体だけでなく)は呼吸を深くすることをめざす

・深い眠りは理想的整体である(これは他の片山先生の著作にも書かれていたと思います)

・リラックスできている状況とは、呼吸が十分行われていて、吐くと吸うの間にどちらでもない状態がちゃんと存在していること。この間が完全に脱力している状態で、武道などで隙と言われる状態

前頭葉やこめかみが緊張しやすい人は、よく夢を覚えている。覚えているかいないかはどちらが良いということでなく、覚えている人は夢を覚えていることがその人にとって意味がある

朝顔を洗う意味は、清潔にすることはもちろんですが、おでこの皮膚をもちあげて、ゆるめることで、しゃきっと目覚める効果がある(砂漠など水の乏しい地域も含め、世界中にある習慣)眠るときに額に腕を置いたりする人がいるのも、額を上にひっぱることで緊張をゆるめるため。(緊張するとおでこが上にあがった状態になるので、あえてそちら側にもっとおしてやることで、逆にゆるんでくる)

・目が疲れたときは手のひらの下を頬骨に、目全体を掌で覆うようにして、力をかけ、だんだんゆるめると、目の周りがあたたかくなってくる

・目が疲れてくると自律神経の働きも乱れる。交感神経の過剰興奮と、目が疲れていることは基本的に同じ。リラックスしているときに眼球を手で触って固いようだと、緊張が残っていて、リラックスできていない。

・体癖によっては朝ごはん食べない方が調子よい人もいる(泌尿器型のひと)

・鍵のかけ忘れが気になるなど、不安を感じやすい疲れ方をするひとは、鍵をかける瞬間に、次の事に心が移ってしまっているような精神状態。そういうときは、意識的にタイミングを遅らす(信号を一回まつとか)をするとよい(目の前のことに集中するようにする、ということかな?)タイミングをおくらせることで、胸の緊張が緩んでくる。

・胸の緊張が強くなった時に、意識的に腕組みをする(腕の外側の胸部反応点という個所触る)と緩められる→これは実際自分がやって効果がありました。夜咳が止まらなくなったときに、腕の外側を手で温めるような感じで触ると、おさまりました。

・わきの下、手首を使ったストレッチ法。肩から首の後ろ、後頭部が凝る人に、右手を脇の下から入れて、左わきの下の筋肉を押す方法、左手をにぎって右手でぐっとまげて抑えつつ、肘を延ばす方法。→自分の肩こりタイプにぴったりだったみたいで、かなり効果がありました。絶対自分では思いつかないやりかただなぁと思ったので、これを知れてよかったです。

・疲れて脚の外側に重心が移動してしまっているとき、両手で両わき腹をつかんでゆっくり吸いながら引っ張る、吐きながらゆるめる、これで重心が内側に寄せられる。腰椎ン3番が固くなっているときほど、わき腹がゆるんでぷよぷよしている。これで緊張度を確認できる。

・足がつかれたり、むくんだりしたら、土踏まず(1指と2指の間を足裏の中心くらいまでさかのぼったところ)を骨に達するくらい強くおす。うまくあたれば相当痛い。おしりのあたりがあたたまると成功。これで骨盤下の緊張がゆるみ、上の方は逆にすこししまって、足の外側の筋肉がゆるめられる。足の筋肉を直接緩める場合には、脛の外側の筋肉を前後から軽くつまんで外側に引っ張り、3~6呼吸くらいかけて徐々に緩めるのを上、中、下三か所くらいやる。むくんでいるときは、脛の内側の筋肉を骨に向かって押す。骨が痛ければうまくあたってる。

・足元の冷えについて。目が疲れているとアキレス健が固くなるので、特に痛いところを押し、ゆっくりゆるめる。冷えが強いときは、ふくらはぎの筋肉の内側より膝のすぐ下あたりの痛いところを押し、ゆるめる。

・食べ過ぎてしまうときも体が冷えていると考えられる

 

自分にとって有益なところだけメモしたつもりですが、かなり大量になってしまい、これ以上ネタバレするのは申し訳ない気持ちなので、具体的なストレッチ法などはやめておきますが(ストレッチといっても伸ばすことより緩めることに集中するのがミソかなと)、とにかくすごーく参考になり、実際にやってみて、文章に書いてあるのを読みながらやるのは難しかったのですが、体操自体はすぐ覚えられる簡単なものなので、ちょっとやるだけですぐ効果を感じられました。これは、本当に価値のある書籍かなと感じました。ストレッチの内容は、以前に読んだフランスの出産後の骨盤ケアを紹介した書籍にも似たようなものがでていて、こちらも伸ばすときより、そこからゆるめることに重点を置いていたのが印象的でした。

 

基本的にあきっぽいのでエクササイズ的なものは続かないのですが、定期的に片山先生の本を読んでそのときだけでもやりたいなぁと思います。