「原因」と「結果」の法則 【ベーシック版】 著:ジェームズ・アレン 訳:坂本貢一

稲盛和夫さんの書籍で言及されていたので、図書館から借りてきました。原作がベストセラーになったころ、一度読んだような気もするのですが、今回読んだものはより幅広い年齢層へということで、中学生くらいの読者にも読みやすいようにまとめられたもので、さらっと読めてエッセンスはおさえられるので良い書籍だと思いました。

 

内容は一言でいうと、自分の思いが行動となって現れ、それが環境を引き寄せる、というもの。つまり自分が思い通りの環境にいない場合、それは自分の悪い思いが具現化してしまっている、ということです。これは稲盛和夫さんの「考え方」の最初に書かれていたことでもあるし、吉本ばななさんの「ちがうことをしないこと」など、様々な書籍で言葉を変えて言われていることかな、と思いました。

 

自分の感想としては書いてあることに全面的に共感でき、すでにそういう風に(良い考えを持つように)心掛けているところもあるけど、実際には自分の悪い考えを正直に認め(直視し)、よい考えに改める、というのはなかなか難しく、常に意識し、自分と対話する時間をとるように努める必要があると思いました。まずは人に対してのごまかしよりも、自分自身に対するごまかしをやめなければと…。メモしておきたいと思うことがたくさんあったので、以下に引用します。(→の部分はその部分で自分が考えたこと)

 

<思いと人格>

・人はだれしも心の中で考えているとおりの人間である

・行いは思いの花であり、喜びや悲しみはその果実

・私たちは自分の思いの主人であり、自分の人格の作者であり、自分の環境と運命の設計者である

・良い結果を生むあらゆる思いが良い思いであり、悪い結果を生むあらゆる思いが悪い思い

・気高い人格は、繰り返しめぐらされる気高い思いの自然な結果であり、神与のものや、偶然の産物ではない

<思いと環境>

・人の心は庭のようなもの。常に耕し、雑草を抜き、よい植物を植える必要がある

・私たちの環境には、つねに、私たちの人格が色濃くあらわれている

・私たちはどんな場合も自分が一番進歩しやすい環境にいる

・心は、それ自身が内側で、繰り返し巡らせ続けているものを引き寄せる。つまり、それ自身が本当に愛しているもの、あるいは恐れているものをひきよせる(→恐れていることを考えるのをやめた方が良いと受け取った)

・外側の世界である環境は、それ自身を、心の内側の世界に合わせて形作る。好ましい状況と好ましくない状況の両方が引き寄せられます。なぜなら喜びも苦悩もどちらも人間に学びをもたらすから(→この世は魂の訓練場であり、私たちは自分で設定した課題をクリアして魂を育てるためこの世を生きている(訓練場で奮闘している)。般若心経、バシャール)

・私たちは自分が単に望んでいるものではなく、自分の人格にふさわしいものを引き寄せる

・私たちが獲得できるものは望んだものではなく、正当な報酬としてうけとるもの

・環境と戦うというのは自分が育てた「原因」の「結果」に戦いをいどむこと。「原因」を放置して「結果」に挑んでも勝てるわけがない

・「原因」は意識的にめぐらされているいじわるな思いだったり、無意識のずるい思いだったりするが、これらがまず戦いを挑まれるべきもの

・自分自身を改善すること(心の中から悪い思いを追い払うこと)がよく言われるところの「自己犠牲」(→自分を犠牲にするのではなく、自分の身勝手な心と決別すること)

・人間はせっかく良い願望を抱いても、それを達成するに値しない悪い思いをめぐらせることで、その達成を自ら妨害する傾向にある→これを放っておいてはいけない

・「あまりにも善人過ぎると苦しみが絶えない」というようなうそを信じないこと

・苦悩は金の精製に用いられる火のようなもの。不純物が完全にのぞかれた金(完全な清らかな心)は精製のための火(苦悩)を必要としない。

・原因と結果の法則は正義の法則であり、この法則に歯向かうのではなく、調和して生きるようにする

・心に隠している思いは絶対に表に現れてしまう(悪い思いをかくすことは出来ない)

<思いと健康>

・肉体も思いの影響を受ける

・恐れや怒りは人を死に追いやる

・美しい心をもっていれば、体に悪いことは自然としたくなくなる

・愛と楽しみで心を満たすこと

<思いと目標>

・目標をもたないと、つまらないことで悩んだり、ちょっとした失敗で絶望したりする

・まず目標を定める事。自分にふさわしい、可能な限り大きな目標。

・常に明確な目標を心に描く(→アドラー心理学

・人生の漂流者でいることをやめ、寝ている船頭を起こす

・達成できるという信念を持つ(できないかも、という恐れを追い払う)

<真の成功>

・良い思いのみをめぐらしていれば、虐げる側、虐げられる側のどちらにもならない

<未来のビジョン>

・明確なビジョンは、それを見続けている人間に、それを現実化するために必要なことを正確に教えてくれる

<穏やかな心>

・今どんなにつらい嵐の中にいようとも、人生という海のなかにはあなたがたにつねに微笑みかけている至福の島があり、あなたの到着を今や遅しと待ちわびている

 

いろんな書籍で繰り返し言われていることですが、よいイメージが自分をよいところに導いてくれるんですよね。以前、夢ノートの本を読んで自分のやりたいこと、なりたい自分などをリストアップしたことがあったのですが、久しぶりにそれをやってみようかなぁと思いました。