人生は攻略できる 君たちはこれからどう生きるか お金と仕事と幸せの授業 橘玲

この方の本は初めて読んだと思いますが、自分と全然ちがう思考回路なので、すべてに共感できたわけではないのですが、とても参考になり、面白かったです。

 

<共感できた、参考になった部分>

・スピリチュアルの法則

「圧倒的な努力」ができるのは好きなことだけ。好きなことや自分に合わないことは分かっていても、好きなことを仕事にどうやってつなげていけばよいかを見つけるのは努力がいるけど、あきらめずに探しつづけること。(これは水木しげるさんの著作にも似たようなことがかかれていたと思います)ある程度絞り込んだら、あとは実際にその職業についてみて、トライアルエラーを繰り返し、本当に自分に合ったものを見つけていくしかない。キャラにあった自分らしい生き方をするのが幸せ。探し続ける、というのは、天職を見つけるまで何回も転職するとか、運命の恋人が見つかるまでとっかえひっかえしろ、ということではなく、スピリチュアルが拒絶するもので妥協するな、ということ(仕事や人と真剣に向き合った結果、自分が成長、変化することでその仕事や人としっくりくる場合もある、ということかな?)

 

・会社ではなく仕事を選ぶ

自分の職業を聞かれて会社名を答えたり、会社のなかで専門と関係ない部署にあちこち行かされたりするのは日本だけ!自分の専門が生かせる仕事をする。聞いた相手が自分に興味を持ってくれるのは、学歴や会社名の履歴ではなく、魅力的な物語をもっているかどうかにかかっている。

 

・「自由」とは嫌なことを嫌だといえること

「自由」を経済的に定義するなら、「国家にも会社にも家族にも依存せずに生きていくのに十分な資産を持つこと」これが経済的独立ということ。経済的に独立している人間にはパワハラもセクハラもできない。なぜならその人は、そんなことをしてくる人間と我慢して付き合う必要がないから。逆に依存していたら、相手がどんな酷いことをしてきても云うことを聴くはめになる(これは、HIREDで低賃金所得者がどうして抜け出せなくなるか、ということで書かれていたと思う)これは、自由な社会における奴隷であり、こういう現象は現代も身近に、頻繁に起きている。

お金があれば、高級品や豪邸、スーパーカーを買ったりもできる。でも、そんなことは、お金にとらわれない「自由」に比べたらなんの価値もない。

逆に言えば、貧しいことの苦しみは、物が買えないことではなく、お金の心配を常にしないといけないこと…。

 

・伽藍を出てバザールで商売する

伽藍はお寺やお堂のように、閉じ込められた、閉鎖的な場所。バザールは誰でも出たり入ったりできる開放的な空間。参入障壁が高く、一度入ったら抜けにくい、悪い評判がたたないようにすることが一番の目的になってしまう伽藍を出て、普通に商品を売っているだけでは成果が出ないけど、工夫して他の人より自分の良いところをアピールすることにフォーカスできる、バザールで商売しよう

 

・新上流階級BOBOS

こてこての大富豪を軽蔑し、最先端のハイテク技術に囲まれながらも自然で素朴なものを愛している人々。ビールよりワイン、アメフトより美術館、ラスベガスでギャンブルより、ハイキングみたいな。こういう言葉を初めて知ったので、へぇ~と思いました。ネットで調べたら、この潮流は日本にも来ているみたいで、なんとなく知的な雑誌みたいなものが増えたなぁと思っていたけど、どうもそういうことなのかなと。私がネットで読んだ記事では、日本人でBOBOSのでイメージが合うのは村上春樹さんと書かれていてなるほどと思いました。

 

・民泊とライドシェア

バザールの話の続きで、よい評判がそのまま利益につながるということ。民泊サービスのエアビーアンドビー、ライドシェアサービスのウーバーが紹介されていて、HIREDで

ウーバーにはあまりよくないイメージを持ってしまっていましたが、利用者側として使うと便利そうだし、観光のお客さんに自分の地元を紹介出来たりしたら、楽しいかも!と良いイメージを持ちました。ちなみに、自分のTwitterでフォローしている人たちでも、海外在住の方はウーバー普通に使っている人が多いのかなという認識。

 

その他、ネットフリックスやリナックスの話、ジョブズさんの話など、参考になる話題が沢山ありました。

 

<あまり共感できなかった点>

・専業主婦は2億円損している

これはつまり、主婦(主夫でも同じだと思いますが)が家でしている労働(もちろん金銭のやりとりは発生しない)は無価値ということになってしまいませんか…?自分はちょっとそれには共感できなくて、例えばお母さんが子供と一緒にいてくれる時間は、たとえ家でただお話しているだけであっても、高価なおもちゃを買ってもらったり、高額な月謝を払う塾や習い事に行かせてもらうより価値があると思うし、夫婦間であってもゆっくり話し合う時間、一緒に楽しむ時間(これはレジャーに行ったりとか、お金を使ってサービスを受けることじゃなくていい)を安易に仕事をして小銭を稼ぐために売ってしまうことには抵抗があります。

実際、自分がアルバイトをして収入を得ていた時と、家で家事に集中していた時を比べて、正直手元に残るお金はトントンくらいでした。仕事をしていると、どうしても外食が増えたり、急ぎの物を間に合わせでお金で買ってしまったり、ということがあり、出費もそれなりに増える。仕事はして、家事も仕事をしていないときと同様そつなく(つまり、手間をかければできることをお金で解決しないで)暮らす、ということはけっこう大変だし、料理や掃除などの家事労働はその行為そのもの(自分で手をかけて自分の生活を整えること)が幸せということもあって、それを外注できる金銭的余裕があることが幸せ、というふうに思えないです。

僕も子育てに「協力」するから一緒に頑張ろうよ、とか、共働きの友達はリッチで君はプア、という言い回しにもどうも抵抗感がありました。

 

・スピリチュアルを決定するのは友達の存在なのか

自分にはあまり関係なかったような気がします…。

 

とはいえ、この方の文章は読みやすく、内容もとても勉強になったので、他の著作も読んでみたいです。